空手の分類と組手ルールについて|寸止め空手とフルコンタクト空手の違いを解説

空手と一口に言っても、その中には多様なスタイルが存在します。今回は、組手のルールを基に空手を分類し、それぞれの特徴について詳しく解説します。空手を始めたいけれど、近くの道場がどのようなスタイルを教えているのかわからない方にとって、参考になれば幸いです。

空手の基本的な分類

まず、空手は「直接打撃があるかないか」で大きく二つに分けることができます。

1. 直接打撃NGの寸止め空手(伝統空手)
2. 直接打撃OKのフルコンタクト空手

直接打撃NGの寸止め空手(伝統空手)

寸止め空手は、ポイント制のルールを採用しており、技の正確さやスピードが重視されます。ここでは主に二つのルールについて解説します。

全日本空手道連盟(JKF)ルール

全日本空手道連盟(JKF)のルールは、オリンピックでも採用されたことで有名です。このルールは、糸東流、剛柔流、和道流、松濤館流という四大流派が中心となっています。攻防の速度が速いことが特徴で、故意でない軽度の接触は許容されます。しかし、腰を入れた形の整った突きや蹴りでないと一本と判定されません。このルールは、競技空手としての美しさと技術を重視しています。

四大流派については下記の記事を参考にしてください。
【本土四大流派】 松濤館流・糸東流・ 剛柔流・和道流: 空手の基礎を築いた流派

全日本空手道連盟公式HP

日本空手協会(JKA)ルール

日本空手協会(JKA)のルールは、松濤館流を統括する団体であり、全空連の協力団体でもあります。このルールの特徴は一本勝負です。打ち抜きは禁止されていますが、実質的には当て止めに近い形で試合が行われます。そのため、試合は非常に過激で、緊張感あふれるものが多いです。試合の迫力と技術の両立が求められます。

直接打撃OKのフルコンタクト空手

フルコンタクト空手は、実際に相手に打撃を加えることが許されるスタイルです。このスタイルはさらに「顔面あり」と「顔面なし」のルールに分けられます。

顔面なし

一般的にフルコンタクト空手と言えば、顔面や金的への攻撃が禁止されたルールを指します。このルールは、実戦的な打撃技術を磨くことができます。

極真会館

極真会館は、松濤館流と剛柔流を学んだ大山倍達総裁が創設しました。極真会館は、直接打撃を認めたことで広く知られています。大山総裁の死後、極真会館は分裂し、多くの流派や会派が生まれました。K-1創始者の石井館長率いる正道会館も極真から派生した一つです。極真系の流派や会派は多岐にわたり、それぞれが独自のルールや特性を持っています。誠空会では、少年部がこの顔面なしのフルコンタクトルールを採用しています。

極真会館公式HP

新極真会

緑健児氏が代表を務める、創始者の大山倍達が亡くなった後の組織名です。極真会館の理念と技術を継承しつつ、独自の発展を遂げています。全世界大会の開催や国際交流に力を入れ、世界170カ国以上に支部を持つ大規模な組織となっています。安全性にも配慮しつつ、フルコンタクトの精神を保持し、青少年育成にも注力しています。新極真会は「武の追求」と「人間形成」を柱とし、空手を通じた心身の鍛錬と国際的な友好親善を目指しています。

新極真会公式HP

正道会館

正道会館は、1981年に極真会館(芦原会館)出身の石井和義が設立した団体です。極真の理念を基礎としながら、より実戦的な格闘技を目指して創設されました。フルコンタクト空手の技術を基本としつつ、他の格闘技の要素も取り入れた独自のスタイルを展開しています。後に石井がK-1を創設したことでも知られています。「フルコンPlus」という新しいルールを開発するなど、常に革新的なアプローチで空手道の可能性を追求しています。

正道会館公式HP

顔面あり

顔面ありのルールでは、さらにいくつかのスタイルが存在します。それぞれのスタイルは、独自のルールや特徴を持っています。

格闘空手

誠空会の代名詞とも言える格闘空手は、スーパーセーフという防具を着用し、顔面への打撃や投げ技も認められた実戦的なスタイルです。このルールは、大道塾の東孝によって発案されました。大道塾が空道に移行する際に誠空会が格闘空手を引き継ぎました。
格闘空手も現代表の田中幸尚によって寝技練習が取り入れられ、名称は違うものの空道と同じく打撃、投げ技、寝技を練習する総合武道に発展しています。

誠空会公式HP

空道

空道は、格闘空手に寝技をプラスしたスタイルで、大道塾が提唱しています。道着を着用し、総合格闘技(MMA)のようなルールで行われます。立ち技だけでなく、寝技も学ぶことができるため、総合的な格闘技術を身につけることができます。

大道塾公式HP

グローブ空手(新空手)

グローブ空手は、道着を着用し、キックボクシングのルールで行われます。このスタイルからは、那須川天心選手やK-1の尊武選手など、多くのプロ格闘家が誕生しています。立ち技の技術を重点的に学びたい人に適しています。

新空手協会公式HP

その他のフルコンタクトルール

近年では、正道会館が考案したフルコンPlusルールなど、さまざまな空手のルールが存在しています。これらのルールは、それぞれの道場や流派の特性に合わせてアレンジされています。

まとめ

空手には様々な流派や競技スタイルがあり、それぞれに特徴があります。伝統的な寸止め空手から実戦的なフルコンタクト空手まで、幅広い選択肢がある中で、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。

  • 伝統的な技術と精神性を学びたい → 沖縄三大流派
  • 競技性を重視したい → 伝統空手(四大流派)
  • 実戦的な技術を磨きたい → フルコンタクト空手(極真系、新極真会、正道会館)
  • 総合的な格闘技術を学びたい → 格闘空手・空道(誠空会、大道塾)
  • 立ち技に特化したい → グローブ空手(新空手)

空手を始めたい方は、まずは近くの道場を見学したり、体験入門に参加したりすることをおすすめします。空手を通じて、心身ともに強くなる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。​​​​​​​​​​​​​​​